壊こわれたメガネを鼻の上でしっかり押さえながら、ハリーは周まわりを見回した。胡う散さん臭くさい横よこ丁ちょうだった。闇やみの魔ま術じゅつに関する物しか売っていないような店が軒のきを連つらねていた。いまハリーが出てきた店、「ボージン・アンド・バークス」が一番大きな店らしかった。その向かい側の店のショーウィンドーには、気味の悪い、縮んだ生なま首くびが飾かざられ、二に軒けん先には大きな檻おりがあって、巨大な黒蜘く蛛もが何匹もガサゴソしていた。みすぼらしいなりの魔法使いが二人、店の入口の薄うす暗くらがりの中からハリーをじっと見て、互いに何やらボソボソ言っている。ハリーはザワッとしてそこを離はなれた。メガネを鼻の上にまっすぐ乗っかるように手で押さえながら、なんとかここから出る道を見つけなければと、ハリーは藁わらにもすがる思いで歩いた。
毒どく蝋ろう燭そくの店の軒のき先さきに掛かかった古ぼけた木の看かん板ばんが、通りの名を教えてくれた。
夜の闇ノクターン横よこ丁ちょう
何のヒントにもならない。聞いたことがない場所だ。ウィーズリー家けの暖だん炉ろの炎の中で、口一いっ杯ぱいに灰を吸すい込んだままで発音したので、きちんと通りの名前を言えなかったのだろう。落ち着け、と自分に言い聞かせながら、ハリーはどうしたらよいか考えた。
「坊ぼうや、迷まい子ごになったんじゃなかろうね」すぐ耳元で声がして、ハリーは跳とび上がった。
老ろう婆ばが、盆ぼんを持ってハリーの前に立っていた。気味の悪い、人間の生なま爪づめのような物が盆に積まれている。老婆は、ハリーを横目で見ながら、黄色い歯をむき出した。ハリーは後ずさりした。
他把破眼镜摁在眼睛上,往四下里张望,眼前是一条肮脏的小巷,两旁似乎全是黑魔法的店铺。他刚刚出来的那一家叫博金一博克,好像是最大的,但对面一家的橱窗里阴森森地陈列着一些萎缩的人头。隔着两家门面,一个大笼子里黑压压地爬满巨大的黑蜘蛛。在一个阴暗的门洞里,有两个衣衫褴褛的巫师正看着他窃窃私语。哈利感到毛骨悚然,要赶快离开那里。他一路努力把眼镜片扶正,心中抱着一线希望,但愿能摸出去。
一家卖毒蜡烛的店铺前挂着块旧木头街牌,告诉他这是翻倒巷。这没有用,哈利从来都没听说过这个地方。他想,他可能是在韦斯莱家火炉里时吞了满嘴烟灰,没有把地名说清楚。他竭力保持镇静,思索着该怎么办。
“不是迷路了吧,亲爱的?”耳边忽然响起一个声音,把他吓了一跳。
一个老巫婆站在他面前,托着一碟酷似整片死人指甲的东西。她乜斜着他,露出长着苔藓的牙齿,哈利慌忙后退。