「ハリー、元気 僕ぼく――僕、コリン・クリービーと言います」
少年はおずおずと一歩近づいて、一ひと息いきにそう言った。
「僕も、グリフィンドールです。あの――もし、かまわなかったら――写真を撮とってもいいですか」
カメラを持ち上げて、少年が遠えん慮りょがちに頼たのんだ。
「写真」ハリーがオウム返しに聞いた。
「僕ぼく、あなたに会ったことを証しょう明めいしたいんです」
コリン・クリービーはまた少し近寄りながら熱っぽく言った。
「僕、あなたのことはなんでも知ってます。みんなに聞きました。『例のあの人』があなたを殺そうとしたのに、生き残ったとか、『あの人』が消えてしまったとか、いまでもあなたの額ひたいに稲いな妻ずま形がたの傷きずがあるとかコリンの目がハリーの額の生はえ際ぎわを探さぐった。同じ部屋の友達が、写真をちゃんとした薬で現げん像ぞうしたら、写真が動くって教えてくれたんです」コリンは興こう奮ふんで震ふるえながら大きく息を吸すい込こむと、一気に言葉を続けた。「この学校って、すばらしい。ねっ 僕、いろいろ変なことができたんだけど、ホグワーツから手紙が来るまでは、それが魔法だってことを知らなかったんです。僕のパパは牛乳配はい達たつをしてて、やっぱり信じられなかった。だから、僕、写真をたくさん撮とって、パパに送ってあげるんです。もし、あなたのが撮れたら、ほんとにうれしいんだけど――」
コリンは懇こん願がんするような目でハリーを見た。
「あなたの友達に撮ってもらえるなら、僕があなたと並んで立ってもいいですか それから、写真にサインしてくれますか」
「サイン入り写真 ポッター、君はサイン入り写真を配ってるのかい」
ドラコ・マルフォイの痛つう烈れつな声が中庭に大きく響ひびき渡わたった。いつものように、デカで狂きょう暴ぼうそうなクラッブとゴイルを両りょう脇わきに従えて、マルフォイはコリンのすぐ後ろで立ち止まった。