「私わたくしだ」本人もウインクしながら、ロックハートが言った。

「ギルデロイ・ロックハート。勲くん三さん等とうマーリン勲くん章しょう、闇やみの力に対する防ぼう衛えい術じゅつ連れん盟めい名めい誉よ会かい員いん、そして、『週しゅう刊かん魔ま女じょ』五回連れん続ぞく『チャーミング・スマイル賞しょう』受じゅ賞しょう――もっとも、私わたくしはそんな話をするつもりではありませんよ。バンドンの泣き妖よう怪かいバンシーをスマイルで追い払ったわけじゃありませんしね」

ロックハートはみんなが笑うのを待ったが、ごく数人が曖あい昧まいに笑っただけだった。

「全員が私わたくしの本を全ぜん巻かんそろえたようだね。大変よろしい。今日は最初にちょっとミニテストをやろうと思います、心配ご無む用よう――君たちがどのぐらい私わたくしの本を読んでいるか、どのぐらい覚えているかをチェックするだけですからね」

テストペーパーを配り終えると、ロックハートは教室の前の席に戻もどって合あい図ずした。

「三十分です。よーい、はじめ」

ハリーはテストペーパーを見下ろし、質問を読んだ。

ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何

ギルデロイ・ロックハートの密ひそかな大たい望もうは何

現げん時じ点てんまでのギルデロイ・ロックハートの業ぎょう績せきの中で、あなたは何が一番偉い大だいだと思うか

こんな質問が延えん々えん三ページ、裏うら表おもてに渡って続いた。最後の質問はこうだ。

54 ギルデロイ・ロックハートの誕たん生じょう日びはいつで、理り想そう的てきな贈おくり物ものは何

三十分後、ロックハートは答とう案あんを回かい収しゅうし、クラス全員の前でパラパラとそれをめくった。