全生徒が教科書をしまう中、何人かは怪訝けげんそうに顔を見合わせた。いままで「闇の魔術に対する防衛術」で実地訓くん練れんなど受けたことがない。ただし、昨年度のあの忘れられない授じゅ業ぎょう、前任の先生がピクシー妖よう精せいをひと籠かご持ち込こんで、クラスに解とき放はなしたことを一回と数えるなら別だが。
「よし、それじゃ、」ルーピン先生はみんなの準じゅん備びができると声をかけた。
「私についておいで」
なんだろう、でもおもしろそうだと、みんなが立ち上がってルーピン先生に従い、教室を出た。先生は誰もいない廊下ろうかを通り、角かどを曲がった。とたんに、最初に目に入ったのがポルターガイストのピーブズだった。空中で逆さかさまになって、手近の鍵かぎ穴あなにチューインガムを詰つめ込んでいた。
ピーブズは、ルーピン先生が五、六十センチくらいに近づいた時、初めて目を上げた。そして、くるりと丸まった爪つま先さきをゴニョゴニョ動かし、急に歌いだした。
「ルーニ、ルーピ、ルーピン。バーカ、マヌケ、ルーピン。ルーニ、ルーピ、ルーピン――」
ピーブズはたしかにいつでも無礼ぶれいで手に負えないワルだったが、先生方にはたいてい一いち目もく置いていた。ルーピン先生はどんな反応を示すだろう、とみんな急いで先生を見た。驚いたことに、先生は相変わらず微笑んでいた。
「ピーブズ、わたしなら鍵穴からガムをはがしておくけどね」先生は朗ほがらかに言った。
「フィルチさんがほうきを取りに入れなくなるじゃないか」
全班把书放回了书包,有几个学生交换了惊奇的眼色。他们还从来没有上过黑魔法防御术的实践课,除非把去年那可纪念的一课也算在里边,那堂课上,原来的教师带来了一笼子小妖精,而且把它们都放了出来。
“那么,”教授看到大家都已经准备好了,就说,“你们跟着我好吗?”
全班感到迷惑,但也觉得有兴趣,都站了起来,跟卢平教授走出教室。他带领他们沿着没有人的走廊走去,转了个弯。在那里,他们首先看到的是捉弄人的皮皮鬼,正脑袋朝下地浮在半空之中,而且正在把口香糖塞进离他最近的钥匙眼里。
直到卢平教授走到离皮皮鬼两英尺时,他才抬头往上看,然后他扭动着脚趾蜷曲的脚,唱起来了。
“又笨又糊涂的卢平,”皮皮鬼唱道,“又笨又糊涂的卢平,又笨又糊涂的卢平—— ”
皮皮鬼一贯粗鲁无礼,又难以管辖,但他通常对教师还有几分尊重。大家都迅速把目光转向教授,看他怎么对待;让他们吃惊的是,他仍然在微笑。
“要我是你的话,皮皮鬼,我会把口香糖从钥匙眼里拿出来的,”卢平愉快地说,“费尔奇先生没法进去拿扫帚了。”