ハリーの耳に大広間の扉とびらがまた開く音が聞こえ、別の足音が聞こえた。
「校長ですか?」スネイプだ。ハリーは身じろぎもせず聞き耳を立てた。
「四階はくまなく捜さがしました。ヤツはおりません。さらにフィルチが地ち下か牢ろうを捜しましたが、そこにも何もなしです」
「天てん文もん台だいの塔とうはどうかね? トレローニー先生の部屋は? ふくろう小屋は?」
「すべて捜さがしましたが……」
「セブルス、ご苦労じゃった。わしも、ブラックがいつまでもぐずぐず残っているとは思っておらなかった」
「校長、ヤツがどうやって入ったか、何か思い当たることがおありですか?」
スネイプが聞いた。
ハリーは、腕うでにもたせていた頭をわずかに持ち上げて、もう一方の耳でも聞こえるようにした。
「セブルス、いろいろとあるが、どれもこれも皆ありえないことでな」
ハリーは薄目うすめを開けて三人が立っているあたりを盗ぬすみ見た。ダンブルドアは背中を向けていたが、パーシーの全ぜん神しん経けいを集中させた顔とスネイプの怒ったような横顔が見えた。
「校長、先日の我われ々われの会話を覚えておいででしょうな。たしか――あー――一学期の始まった時の?」スネイプはほとんど唇くちびるを動かさずに話していた。まるでパーシーを会話から閉め出そうとしているかのようだった。
「いかにも」ダンブルドアが答えた。その言い方に警けい告こくめいた響ひびきがあった。
「どうも――内部の者の手引きなしには、ブラックが本校に入るのは――ほとんど不可能かと。我わが輩はいは、しかとご忠ちゅう告こく申し上げました。校長が任にん命めいを――」
「この城の内部の者がブラックの手引きをしたとは、わしは考えておらん」
ダンブルドアの言い方には、この件は打ち切りと、スネイプに二の句を継つがせない、きっぱりとした調子があった。
「わしは吸魂鬼ディメンターたちに会いにいかねばならん。捜そう索さくが終わったら知らせると言ってあるのでな」とダンブルドアが言った。
「先生、吸魂鬼は手伝おうとは言わなかったのですか?」パーシーが聞いた。
「おお、言ったとも」ダンブルドアの声は冷ひややかだった。
「わしが校長職しょくにあるかぎり、吸魂鬼にはこの城の敷居しきいは跨またがせん」
“校长?”这是斯内普。哈利仍旧静静地躺着,用心去听。“整个四楼都查过了,他不在那里。费尔奇查了城堡主楼,那里也没有。”
“天文塔呢?特里劳妮教授的房间?猫头鹰栖息出没的地方?”
“都查过了......”
“很好,西弗勒斯,我并不真正以为布莱克会逗留不走。”
“记得,西弗勒斯。”邓布利多说,声音里含有类似警告的意味。
“我必须到那些摄魂怪那里去了,”邓布利多说,“我说过,我们搜查完毕就通知它们。”