しかし、「危険きけん生せい物ぶつ処理しょり委員いいん会かい」がマルフォイ氏の言いなりで、もう意い思しを固めたのでは、と、ハリーはいやな予感でぞっとした。クィディッチ優勝戦でグリフィンドールが勝って以来、ドラコは目に見えておとなしくしていたが、ここ数日は、昔の威い張ばりくさった態度たいどをやや取り戻もどしたようだった。バックビークは必ず殺されると自信たっぷりで、自分がそのようにしむけたことが愉快ゆかいでたまらないとマルフォイが嘲あざけっていたことを、ハリーは人伝ひとづてに聞いた。そんな時、ハリーは、ハーマイオニーに倣ならってマルフォイの横っ面つらを張はり倒したい衝しょう動どうを、やっとこらえた。最悪なのは、ハグリッドを訪たずねる時間もチャンスもないことだった。厳げん重じゅうな警けい戒かい体たい制せいはまだ解とかれていないし、ハリーは隻せき眼がんの魔女の像の下から「透とう明めいマント」を取り戻してくる気にはとてもなれなかった。
試験が始まり、週明けの城は異様な静けさに包まれた。月曜日の昼食時、三年生は「変へん身しん術じゅつ」の教室から、血の気も失うせ、よれよれになって出てきて、結果を比べ合ったり、試験の課題かだいが難しすぎたと嘆なげいたりしていた。ティーポットを陸りく亀がめに変えるという課題もあった。ハーマイオニーは自分のが陸亀というより海うみ亀がめに見えたとやきもきして、みんなをいら立たせた。他の生徒は、そんな些細ささいなことまで心配するどころではなかった。
「僕ぼくのは尻尾しっぽのところがポットの注ぎ口のままさ。悪夢だよ……」
「亀って、そもそも口から湯ゆ気げを出すんだっけ?」
「僕のなんか、甲羅こうらに柳やなぎ模も様ようがついたまんまだったんだ。ねえ、減げん点てんされるかなぁ?」
“我变的鸟龟尾巴仍旧是茶壶嘴,这可要命..”
“人们是不是以为乌龟呼吸水蒸气?”