部屋があった。雑ざつ然ぜんとした埃ほこりっぽい部屋だ。壁かべ紙がみははがれかけ、床は染しみだらけで、家具という家具は、まるで誰かが打ち壊こわしたかのように破損はそんしていた。窓には全部板が打ちつけてある。
ハリーはハーマイオニーをちらりと見た。恐きょう怖ふに強こわばりながらもハーマイオニーは、こくりと頷うなずいた。
ハリーは穴をくぐり抜け、あたりを見回した。部屋には誰もいない。しかし、右側のドアが開きっぱなしになっていて、薄うす暗ぐらいホールに続いていた。突とつ然ぜん、ハーマイオニーがまたしてもハリーの腕うでをきつく握にぎった。目を見開き、ハーマイオニーは板の打ちつけられた窓をずいーっと見回していた。
「ハリー、ここ、『叫さけびの屋敷やしき』の中だわ」ハーマイオニーが囁いた。
ハリーもあたりを見回した。そばにあった木もく製せいの椅い子すに目が止まった。一部が大きく抉えぐれ、脚あしの一本が完全にもぎ取られていた。
「ゴーストがやったんじゃないな」少し考えてからハリーが言った。
その時、頭上で軋きしむ音がした。何かが上の階で動いたのだ。二人は天てん井じょうを見上げた。ハーマイオニーがハリーの腕うでをあまりにきつく握にぎっているので、ハリーの指の感覚がなくなりかけていた。眉まゆをちょっと上げてハーマイオニーに合図あいずすると、ハーマイオニーはまたこくりと頷うなずいて腕を放はなした。
できるだけこっそりと、二人は隣となりのホールに忍び込こみ、崩くずれ落ちそうな階段を上がった。どこもかしこも厚い埃ほこりをかぶっていたが、床だけは違った。何かが上階に引きずり上げられた跡あとが、幅広い縞しま模も様ようになって光っていた。
二人は踊おどり場まで上った。
「ノックス! 消えよ!」
二人が同時に唱となえ、二人の杖つえ先さきの灯あかりが消えた。開いているドアが一つだけあった。二人がこっそり近づくと、ドアの向こうから物音が聞こえてきた。低い呻うめき声、それと、太い、大きなゴロゴロという声だ。二人はいよいよだと、三度目の目配めくばせをし、三度目のこっくりをした。
杖をしっかり先頭に立て、ハリーはドアをバッと蹴けり開けた。
埃っぽいカーテンの掛かかった壮そう大だいな四よん本ほん柱ばしらの天てん蓋がいベッドに、クルックシャンクスが寝ねそべり、二人の姿を見ると大きくゴロゴロ言った。その脇わきの床には、妙みょうな角度に曲がった足を投げ出して、ロンが座っていた。
ハリーとハーマイオニーはロンに駆かけよった。
“哈利,”她低声道,“我想我们是在尖叫棚屋里。”哈利向四周看了看。他的目光落到了附近的一把木椅上,椅子上扯去了一大块木板,一条腿也不见了。