「ハリー、このクズのせいで、君は両親を亡なくしたんだぞ」ブラックが唸うなった。
「このへこへこしているろくでなしは、あの時、君も死んでいたら、それを平へい然ぜんと眺ながめていたはずだ。聞いただろう。小こ汚ぎたない自分の命のほうが、君の家族全員の命より大事だったのだ」
「わかってる」ハリーはあえいだ。
「こいつを城まで連れていこう。僕ぼくたちの手で吸魂鬼ディメンターに引き渡わたすんだ。こいつはアズカバンに行けばいい……殺すことだけはやめて」
「ハリー!」
ペティグリューが息を呑のんだ。そして両腕でハリーの膝ひざをひしと抱いた。
「君は――ありがとう――こんなわたしに――ありがとう――」
「放はなせ」
ハリーは汚けがらわしいとばかりにペティグリューの手をはねつけ、吐はき捨すてるように言った。
「おまえのために止めたんじゃない。僕の父さんは、親友が――おまえみたいなもののために――殺さつ人じん者しゃになるのを望まないと思っただけだ」
誰一人動かなかった。物音一つたてなかった。ただ、胸を押さえたペティグリューの息が、ゼイゼイと聞こえるだけだった。ブラックとルーピンは互いに顔を見合わせていた。それから二人同時に杖を下ろした。
「ハリー、君だけが決める権利けんりを持つ」ブラックが言った。
「しかし、考えてくれ……こいつのやったことを……」
「こいつはアズカバンに行けばいいんだ」ハリーは繰くり返し言った。
「あそこがふさわしい者がいるとしたら、こいつしかいない……」
ペティグリューはハリーの陰かげで、まだゼイゼイ言っていた。
「いいだろう。ハリー、脇わきに退のいてくれ」ルーピンが言った。
ハリーは躊ちゅう躇ちょした。
「縛しばり上げるだけだ。誓ちかってそれだけだ」ルーピンが言った。
ハリーが脇わきにどいた。今度はルーピンの杖つえの先から、細い紐ひもが噴ふき出て、次の瞬しゅん間かん、ペティグリューは縛られ、さるぐつわを噛かまされて床の上でもがいていた。
「しかし、ピーター、もし変身したら」
ブラックも杖をペティグリューに向け、唸うなるように言った。
「やはり殺す。いいね、ハリー?」
ハリーは床に転ころがった哀れな姿を見下ろし、ペティグリューに見えるように頷うなずいた。
「よし」
ルーピンが急にテキパキとさばきはじめた。
「ロン、わたしはマダム・ポンフリーほどうまく骨折を治すことができないから、医い務む室しつに行くまでの間、包ほう帯たいで固定しておくのが一番いいだろう」
“我要把他捆起来,”卢平说,没有别的意思。我发誓。”
哈利让开了。这次是卢平的魔杖上射出了带子。不一会儿,小矮星彼得就被捆了起来,嘴里也塞上了东西,在地板上扭动着。
“不过要是你变形,彼得,”布莱克咆哮道,他自己的魔杖也指着小矮星彼得,“我们就杀了你。你同意吗,哈利?”
哈利低头看着地板上那可怜的东西,点了点头,让小矮星彼得也能看见。
“好,”卢平说,忽然就事论事起来,“罗恩,我接骨的本事不如庞弗雷夫人,所以我想,最好的办法是我们先把你的腿用带子捆扎起来,然后送你到校医院去。”