「ごめんね。僕の知っている人じゃないかと思って」ハリーがしもべ妖精に言った。
「でも、旦那さま、あたしもドビーをご存知です!」甲高い声が答えた。
貴き賓ひん席せきの照明がとくに明るいわけではないのに、眩まぶしそうに顔を覆っている。
「あたしはウィンキーでございます。旦那さま。――あなたさまは――」
焦こげ茶色の目がハリーの傷きず痕あとをとらえたとたん、小皿くらいに大きく見開かれた。
「あなたさまは、まぎれもなくハリー・ポッターさま!」
「うん、そうだよ」
「ドビーが、あなたさまのことをいつもお噂うわさしてます!」
ウィンキーは尊敬で打ち震えながら、ほんの少し両手を下にずらした。
「ドビーはどうしてる? 自由になって元気にやってる?」ハリーが聞いた。
「ああ、旦那さま」ウィンキーは首を振った。
「ああ、それがでございます。けっして失礼を申し上げるつもりはございませんが、あなたさまがドビーを自由になさったのは、ドビーのためになったのかどうか、あたしは自信をお持ちになれません」
「どうして?」ハリーは不意を衝つかれた。
「ドビーに何かあったの?」
「ドビーは自由で頭がおかしくなったのでございます。旦那さま」
ウィンキーが悲しげに言った。
「身分不ふ相そう応おうの高たか望のぞみでございます、旦那さま。勤つとめ口が見つからないのでございます」
「どうしてなの?」
ウィンキーは声を半オクターブ落として囁ささやいた。
「仕事にお手当てをいただこうとしているのでございます」
「お手当て?」ハリーはポカンとした。
「だって――なぜ給料をもらっちゃいけないの?」
ウィンキーがそんなこと考えるだに恐ろしいという顔で少し指を閉じたので、また顔半分が隠れてしまった。
“对不起,”哈利对小精灵说,“我把你当成我以前认识的一个人了。”
“可是我也认识多啊,先生!”小精灵尖声地说。她用手挡着脸,好像被光刺得睁不开眼睛,尽管顶层包厢的光线并不强烈。“我叫闪闪,先生——先生你——”当她的目光落到哈利额头的伤疤上时,她那双深棕色的眼睛顿时睁得老大,像两只小菜碟。“你肯定是哈利·波特!”
“是的。”哈利说。
“哎呀,多比一天到晚都在谈你,先生!”她说,把双手稍微放下一些,脸上的表情十分敬畏。
“多比怎么样了?”哈利问,“自由以后过得惯吗?”
“啊,先生,”闪闪摇着头说,“啊,先生,说句对你不恭敬的话,先生,你把多比解放出来,恐怕对他并没有什么好处。”
“为什么?”哈利吃惊地问,“他有什么不对劲吗?”
“多比脑子里整天想着自由,先生,”闪闪悲哀地说,“尽是些不切实际的想法,先生。他找不到工作,先生。”
“为什么找不到?”哈利问。
闪闪把声音降低半个八度,悄声说:“他想得到报酬,先生。”
“报酬?”哈利茫然地问,“怎么——他不应该得到报酬吗?”
闪闪似乎被这个想法吓坏了,把手指合拢起来,这样她的脸又被挡住了一半。