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ろうそくと貝がら(1)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网
日期:2024-10-24 10:29  点击:3348

 


うみちかくに一けんいえがありました。いえには母親ははおやむすめとがさびしくらしていました。けれど二人ふたりはたらいて、どうにかそのらしてゆくことができました。
父親ちちおやは二年前ねんまえに、うみりょうかけたきりかえってきませんでした。その当座とうざ、たいへんにうみれて、難船なんせんおおかったといいますから、きっと父親ちちおやも、そのなかはいっているのだろうとかなしみなげきました。
けれど、また、とおいところへかぜのためにきつけられて、父親ちちおやはまだのこっていて、いつかかえってくるのではないかというようなもしまして、二人ふたりは、おりおりうみほうをながめて、あてなきおもいにふけっていました。
「おっかさん、おとっさんはんでしまわれたんでしょうか。」と、むすめなみだをためて、母親ははおやいますと、
「いまだにたよりがないところをみると、きっとそうかもしれない。」と、母親ははおやも、さびしそうなかおつきをしてこたえました。
「ほんとうに、おとっさんがきていてかえってきてくだされたら、どんなにうれしいかしれない。」と、むすめはいいました。
きていなされば、きっとかえってきなさるから、そう心配しんぱいせずにっていたほうがいい。」と、母親ははおやむすめをなぐさめました。
むすめ昼間ひるま仕事しごとて、れかかるといえかえってきました。まどけると、かなたにあおうみえました。しずかに、うみのかなたが、あか夕焼ゆうやけがしてれてゆくときもあります。また、灰色はいいろくもったままれてゆくときもあります。またあるときは、かぜいて、うみうえがあわだってえるときもありました。
つきのいいばんには、往来おうらいするふねも、なんとなく安全あんぜんおもわれますが、うみいかって、くらな、波音なみおとのすさまじいときには、どんなに航海こうかいをするふね難儀なんぎをしたかしれません。
そんなとき、むすめはきっと父親ちちおやのことをおもすのでありました。もし父親ちちおやが、こんなあらしつよばんに、うみをこいでこえってこられたなら、方角ほうがくもわからないので、どんなにか難儀なんぎをなされるだろうと、こうかんがえると、むすめはもはや、じっとしていることができませんでした。がって、まどからいっしんにおきほうつめていました。
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