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蝶ちょう 三
日期:2024-07-31 23:15  点击:303
 日本の蝶にまつわる話に登場するほとんどが、チャイナに起源が有るかのように言った。しかし土着であろう話がひとつ有り、それは極東に「純愛」は存在しないと信じる人には、為になる価値の有る語りに見える。
 帝都の郊外にある宗参寺そうざんじの墓地の背後に、高浜という名の老人が住む一件の小屋が長らく建っていた。柔らかい物腰から近隣の人に好かれていたが、皆のほとんどは少しおかしな人だと思っていた。出家している男でなければ結婚をして家族を養うものと期待されていた。しかし高浜は信心の生活をしていないし、結婚の説得もできなかった。
また、かつてどこかの女性と恋愛関係にあったとも知られていなかった。五十年以上まったく孤独に暮らしていたからだ。
 ある夏、病気にかかり、もう長くは生きられないと知った。それから未亡人となっている義理の妹とそのひとり息子へ連絡をとった──二十歳くらいの若者でたいそう可愛がっていた。どちらも即座にやって来て、手を尽くし老人の最期の時を穏やかにできた。
 ある蒸し暑い午後、未亡人とその息子が寝床の傍そばで見守っている間に、高浜は眠りへ落ちた。その瞬間とても大きな白い蝶が部屋に入ってきて、病人の枕の上へ止まった。
甥は団扇で遠くへ追い払ったが、すぐに枕まで戻ってきたので再び追い払うと、三回目まで戻ってきた。それから庭へ追いかけていくと、庭を横切り開いた門を通って寺に隣接した墓地へ入っていった。だが先へと追い払われるのは気が進まないように、前で羽ばたき続け、本当に蝶なのか魔ではないのかと訝いぶかり始めるほど怪しげな動きをとった。再び追いかけていき、墓地の奥の墓石に飛んでぶつかって見えるまでついていった──ひとりの女性の墓石であった。そして説明のしようもない様子で消え去り、虚しい捜索をした。
それから石碑を調査した。そこには「アキコ」という名前が記され、一緒に馴染みのない苗字と共に享年十八歳と刻み込まれていた。どうやらその墓は五十年くらい前に建てられたらしい、苔こけがその頃から重なりはじめている。だが前には新鮮な花が有り、水入れは最近満たされ、よく手入れされていた。
 病室に戻った若者は、伯父の息が止んだ知らせを受け驚愕した。死は苦しみも無く訪れて、その死に顔は微笑んでいた。
 若者は墓地で見てきたことを語った。
「ああ」未亡人は声を上げた。「あれはアキコに違いないわ……」「でも、アキコって誰、母さん」甥が訊たずねた。
 未亡人は答えた──
「あなたの立派な伯父さんは、若い頃に近所の娘でアキコというとても可愛らしい女性と婚約していたの。アキコは婚礼が約束された日の少しだけ前に、肺の病で亡くなり婚約者はひどく悲しんだわ。アキコが埋葬された後で、決して結婚はしないと誓いを立て、この小さな家を墓地のそばに建てた、そう、たぶんいつでもお墓の傍に居られるから。全てが起きたのは五十年以上前。そしてこの五十年間毎日──冬でも夏でも同じように──伯父さんは墓地に通い、お墓に祈り、墓石を掃除して、その前にお供えを置いていたの。だけど厄介事を作って何か言われるのを好まなかったから、何も話さなかった……そう、最期にアキコは来たのね、あの白い蝶は彼女の魂だったのよ。」
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09/20 02:56
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