中東各国で反政府デモが広がりを見せるなか、ペルシャ湾の島国、バーレーンでは、治安当局が１７日未明、首都マナマの中心部の広場を占拠していた反政府のデモ隊の強制排除に乗り出し、デモの参加者２人が死亡、数百人がけがをしました。

　　バーレーンでは、少数派のイスラム教スンニ派が実権を握っていることに不満を募らせてきたシーア派の市民が、インターネット上の呼びかけに応じて今月１４日から各地で反政府デモを始め、数千人のデモ隊が首都マナマの中心部の真珠広場を占拠しました。反政府デモの参加者によりますと、現地時間の１７日未明（日本時間の午前９時ごろ）から警察と治安部隊、あわせて数百人が、広場に通じるすべての道路を封鎖したうえで、大量の催涙ガスとゴム弾を発射してデモ隊の強制排除に乗り出したということです。デモを呼びかけている野党側の関係者によりますと、強制排除でデモに参加していた男性２人が死亡、女性や子どもを含む数百人がけがをしたということです。これについて、バーレーン政府は、今のところ公式な反応を示していません。一方、反政府デモの関係者はＮＨＫの電話取材に対し、「治安当局はメディアの監視が薄くなる夜をねらって、平和的なデモを暴力で抑え込みにきた」と述べ、政府側を非難しており、多数の死傷者が出たことで緊張が一段と高まることが予想されます。